水の重さと比較すると好みの日本酒がバレバレ!日本酒度・酸度の美味しい活用法

水の重さと比較すると好みの日本酒がバレバレ!日本酒度・酸度の美味しい活用法
水の重さと比較すると好みの日本酒がバレバレ!日本酒度・酸度の美味しい活用法
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テレビや動画で食レポを見ていると、出演者の方々が味を表現するのにとても苦心しているのが伝わってくることはありませんか。

これは味が「辛い」「甘い」「酸っぱい」などの形容詞で抽象的にしか表現できないことから起こります。

しかし日本酒の場合はラベルに書いてある「日本酒度」「酸度」という数値で、味をもっと具体的に表現することができるのです。

編集者注:日本酒度(にほんしゅど)と読みます。甘口か辛口かという目安になります。マイナスの数値で甘いと思っていただくといいです。

この記事では日本酒の味を示し、自分の好みの日本酒を見分けることにも使える数値「日本酒度」「酸度」「アミノ酸度」について詳しく解説します。

日本酒度とは?

日本酒度とは日本酒の辛さと甘さを示す数値で+であるほど辛く、-であるほど甘くなるということをこの記事でも説明しました。

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日本酒に含まれるブドウ糖の量で日本酒度の数値は決まりますが、この数値はいったいどのように計測されているのでしょう。

日本酒度は実は元々日本酒と水の比重を表す数値で、日本酒度計と呼ばれる浮秤(ふひょう)を15℃の日本酒に浮かべ、液面の目盛りを読むことで測定します。

日本酒度計は測定できる数値の範囲で種類が分かれ、-30~+25まで計測できるもの、-40~+15まで計測できるものなど用途に応じてさまざまなものの中から選ぶことができるのです。

この計測方法で15℃の日本酒が4℃の純粋な水(比重1の水)と同じ重さであれば日本酒度±0と判定されます。

また日本酒度計がないと日本酒度が全くわからないかと言えばそうではなく、コップに水を入れて日本酒を少し垂らし、沈んだら日本酒度はマイナス、浮かべばプラスとおおまかに判定できることも覚えておくとよいでしょう。

酸度とは?

酸度とは日本酒の酸味や旨味を示す数値で数値が高いほど濃厚辛口、低いほど淡麗甘口です。

酸度は日本酒10mlに含まれる酸を中和するために必要となる水酸化ナトリウム溶液の量によって計測されるのです。

おおむね0.4~2.6までの範囲の数値で計測されることが多いでしょう。

そして日本酒に含まれる酸の種類は乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸です。

日本酒にとって旨味や酸味、また味を引き締める役割を持つこの有機酸の量を相対的に表すのが酸度なので、日本酒の味は日本酒度と酸度のバランスで最終的に決まると言えます。

日本酒度と酸度を活かした上手な日本酒の選び方とは?

日本酒のソムリエと呼ばれる唎酒師であっても、日本酒の辛さ、甘さ、酸味、旨味などを正確にききわけることは難しいと言われています。

なぜなら日本酒の繊細な味わいはその温度、直前に食べたおつまみ、香りなどさまざまな要素に左右されやすいからです。

例えば甘いおつまみを食べた後では日本酒は酸味が強く、また辛く感じますし、酸っぱいおつまみや辛いおつまみを食べた後では甘く感じます。

このことからもし日本酒度と酸度の数値のバランスを見て日本酒を選んだとしても、イメージしていた味と違う可能性は十分にあると言えるのです。

そのため日本酒度と酸度について覚えておいてほしいのは、2つとも味をはっきり表現するための数値ではなく、味の参考や目安にするための数値であるということです。

では日本酒度や酸度をどのように活用すれば、自分の好みの日本酒を選べるようになるのでしょうか?

その手順をご紹介します。

手順

まず日本酒度は平均値の±0、酸度は濃厚辛口と淡麗甘口の境目と呼ばれる数値の1.4~1.6程度のニュートラルな日本酒を選んで飲み、自分の好みの味には何が足りないのかを考えてみましょう。

例えば甘味が足りず、少し味が濃いと感じるのであれば次に日本酒を飲む時には日本酒度低め、酸度も低めの日本酒を選んで飲んでみるとよいでしょう。

次に飲む時に気を付けてほしいのはニュートラルの数値から大きく日本酒度や酸度の数値を変化させるのではなく、何度にもわけて少しずつ変化させていくことです。

少しずつ変化させればより自分の好みの日本酒の味を表す数値の範囲がおおまかにでもわかってくるでしょう。

この方法で自分の好みの日本酒度と酸度の数値の範囲が把握できたら、次にさまざまな銘柄でその数値の範囲を持つ日本酒がないかを調べて飲み比べてみましょう。

時間はかかるかもしれませんがこのような手順を踏めば日本酒度や酸度だけでは測りにくい、旨味なども含めた自分の味の好みがわかってくるはずです。

日本酒のラベルを見て数値でおおまかに味をイメージできることも大切ですが、自分の好みを知るために数値を活用した方がより日本酒を飲むのが楽しくなるのではないでしょうか。

まとめ

日本酒度とは日本酒に含まれるブドウ糖の量を表し、酸度は日本酒10mlに含まれる酸を中和するために必要となる水酸化ナトリウム溶液の量で決まり、日本酒の味の参考にするための数値であることがわかりました。

あくまでも目安の数値だということを覚えておくことは大切ですが、自分の好みの日本酒の味を知るための数値としてぜひ積極的に日本酒度と酸度を活用してみてください。


この記事を書いたライター

紫媛(さきひめ) 秋田生まれの日本酒大好きWebライター。

紫媛(さきひめ)

紫媛(さきひめ)
秋田生まれの日本酒大好きWebライター。
仲間においしい日本酒をすすめたり、行きつけのお店 の日本酒の仕入れの相談にのったりと楽しく日本酒とつきあっている。
最大のライバルは唎酒大会で優勝した父親。


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