日本酒を水割りで飲む方法があるのをご存知でしょうか。
日本酒は元々加水してアルコール度数を調整するため、その工程をご存知の方は少し驚かれるかもしれませんが、実は宅飲みであまり酔い過ぎないようにしたい方に、水割りはおすすめの飲み方なのです。
この記事では水割りに向く日本酒から日本酒の水割りを美味しく作る方法まで詳しく解説します。
水割りに向く日本酒の種類とは?
水割りに向く日本酒の種類は原酒か「無加水」と書かれた日本酒と言われます。
理由は、アルコール度数が日本酒の中では高めで20%前後のためです。
日本酒を造る工程の最後に「割水」といって加水しアルコール度数を調整する手順があるのですが、原酒や無加水の日本酒ではこの工程を省くため、アルコール度数の高いお酒が出来上がります。
原酒や無加水の日本酒は味わいが濃厚なので、人によっては強すぎると感じることがあるのです。
これをほどよく和らげることができる飲み方が水割りと言えるでしょう。
宅飲みでおすすめの日本酒の割り方
宅飲みでおすすめの日本酒の割り方を2つご紹介します。
①ロック
1つめは氷を入れてロックにする飲み方です。
原酒のアルコール度数が適度に下がり飲みやすくなるのと、日本酒らしい味わいを損ねないのがロックのメリットと言えるでしょう。
②アルコール度数が16度程度になるように調整する
具体的には日本酒:水=8:2で割ることを言います。
日本酒の水割りを作る際の黄金比と言われる割り方のため、宅飲み初心者の方はひとまずこの割合で水割りを作ってみてから自分の好みに応じて調整をしていくのがよいでしょう。
日本酒の水割りを美味しくする水とは?
宅飲みで日本酒の水割りに挑戦するなら、水にもこだわってみてはいかがでしょうか。
日本酒の水割りにおすすめの水を2つご紹介します。
①軟水
日本酒の水割りにおすすめの水の1つめは軟水です。
軟水とはマグネシウムとカルシウムの含有量が比較的少ない水のことを言い、日本人は軟水の方が好きで体にも合っていると言われています。
軟水で水割りにするとまろやかな味わいになるので、日本酒が飲みやすくなるため宅飲み初心者の方にはおすすめできるのです。
しかし硬水が日本酒の水割りに合わないということはなく、日本酒の個性的な味をより際立たせるということも覚えておくとよいかもしれません。
②仕込み水
日本酒の水割りにおすすめの水の2つめはその日本酒の仕込み水です。
ネットで「仕込み水 通販」などのキーワードで検索をかけてみると、さまざまな日本酒の仕込み水が販売されているのを見かけます。
少し贅沢かもしれませんが、水割りにしたい日本酒の仕込み水を手に入れることができれば、それで割るだけでとても美味しい水割りを作ることができるでしょう。
宅飲みでは仕込み水を水割りだけでなく、和らぎ水として飲むのもおすすめです。
水割りにして美味しい日本酒とは?
次は宅飲みで日本酒の水割りを楽しむのにちょうどよい、おすすめの銘柄を3つご紹介します。
①飛良泉 飛囀(ひてん)山廃純米大吟醸 原酒
日本酒度 | -3 |
酸度 | 1.9 |
原料米 | 秋田酒120号 |
アルコール度 | 15度~16度 |
秋田県にかほ町にある株式会社飛良泉本舗の27代目蔵元齋藤雅昭さんが新しい日本酒の味を追求するために作ったのが「飛囀」シリーズの日本酒です。
温度管理を5度以下とし、利き酒をしてから濾過を行うなどの工夫を凝らした酒造りと光に当てないように黒瓶に詰めて出荷するなどの品質へのこだわりは雑味がなくクリアな味わいを実現しました。
飛良泉 飛囀 山廃純米大吟醸 原酒は濃厚辛口でしっかりとした味わいながら癖がないため、水割りにするとより宅飲み初心者の方には飲みやすくなるでしょう。
強めの味をしっかりと楽しみたい方はロックにするのもおすすめです。
編集注:以下は参考リンクです。飛良泉で検索できます。
②加賀鳶 純米大吟醸 極上原酒
日本酒度 | +4 |
酸度 | 1.6 |
原料米 | 山田錦100% |
アルコール度 | 17度 |
石川県金沢市にある株式会社福光屋の日本酒の人気ブランドの1つが「加賀鳶」です。
加賀鳶のブランドコンセプトは「粋」なので加賀鳶 純米大吟醸 極上原酒も宅飲みでは旨味とキレを楽しむ飲み方がおすすめです。
水割りを作る際は加賀鳶 純米大吟醸 極上原酒と割り水をキンキンに冷やしておき、酒は飲む直前に冷凍庫でさらに10分ほど冷やしてから水割りを作ると旨味とキレを最大限に楽しむことができるでしょう。
夏の暑い日、風呂上がりにこの水割りをサッと作って飲んでみてはいかがでしょうか。
③越乃景虎 純米原酒
日本酒度 | +3 |
酸度 | 非公開 |
原料米 | 五百万石・こしいぶき |
アルコール度 | 17度以上 |
越乃景虎 純米原酒は新潟県長岡市にある諸橋酒造株式会社が7月のみ限定発売している日本酒です。
夏らしく「冷やして美味しい純米原酒」をコンセプトに作られたため、ロックにするとすっきりとした味わいがさらに引き立ちます。
また越乃景虎の仕込み水は名水百選にも指定されている「杜々の森(とどのもり)湧水」なので、水にこだわりたい方はこの水を汲んできて水割りに使用すると宅飲みがさらに豪華なものになるのではないでしょうか。
まとめ
日本酒の水割りを作るのに合うのは割水をしていない原酒や無加水のお酒で、水や割り方にこだわれば宅飲みをさらに楽しくできる飲み方だとわかりました。
暑い夏を爽やかに過ごすのに、ぜひ日本酒の水割りをお供にしてみてください。
この記事を書いたライター
紫媛(さきひめ)
秋田生まれの日本酒大好きWebライター。
仲間においしい日本酒をすすめたり、行きつけのお店 の日本酒の仕入れの相談にのったりと楽しく日本酒とつきあっている。
最大のライバルは唎酒大会で優勝した父親。
記事編集
日本酒アドバイザー 宅飲家(たくのうち)の中の人
top-image Photo by chuttersnap on Unsplash