スーパーで買う千円以下のワインでも、ちょっとした手間で味の印象は大きく変わります。
ここで紹介するのは、海外のワインメディアでも定番になっている「飲み方で底上げする」技だけです。煮込んだり凝った料理を作ったりは一切なし。グラスとワインがあれば今すぐ試せます。
先に正直に言っておくと、これで二千円が一万円の味になるわけではありません。それでも、安ワインの「角が取れて飲みやすくなる」効果は確かにあります。気軽に試してみてください。
1. 空気に触れさせる(いちばん効く)
安い若い赤ワインは、空気に触れると渋みの角が取れて香りが開きます。これがいちばん手っ取り早く効く方法です。
ミキサーで30秒回す
いちばん効果が大きいのが、ワインをミキサーに入れて高速で30〜60秒回す方法です。海外では「ハイパーデカンティング」と呼ばれていて、1時間以上デカンタに置くのと同じくらいの空気接触を数十秒で起こせます。
料理研究家のネイサン・マイアボルドが広めた手法で、専門家14人による目隠しの飲み比べでも、回したワインのほうが好まれたという結果が出ています。泡立つので少し置いてから注ぐと飲みやすいです。
注ぎ替える・かき混ぜる
ミキサーがなければ、別の容器に一度移すだけでも空気に触れます。コップとコップの間で何度か移し替える、または泡立て器で30〜60秒かき混ぜるだけでも、渋みがやわらいで香りが立ちます。
2. ひとつまみの塩を入れる
酸味や苦味が尖って感じる安ワインには、ごく少量の塩がよく効きます。塩そのものが味を変えるのではなく、全体のバランスが整って果実味を強く感じるようになります。
入れるのは本当にひとつまみで十分です。入れすぎると塩辛くなるので、グラス1杯に対して数粒のイメージで試してください。
3. 温度を合わせる
温度を合わせるだけでも、体感の味はかなり変わります。赤は15〜20℃(冷蔵庫から出して20〜30分)、白は7〜13℃(しっかり冷やす)が目安です。
安い赤を常温で飲むとぼんやりした甘さが目立ち、逆に冷やしすぎると果実味が消えます。軽い赤は少し冷やすとキリッとして飲みやすくなります。
4. ブレンドする・少量だけ補強する
安ワイン同士を混ぜて好みのバランスに調整するのも、昔からあるやり方です。軽すぎる赤に濃いめの赤を少し足すと、飲みごたえが出ます。
もう一段やるなら、ブランデーやポートワインをほんの少し垂らすと、厚みと甘みが加わってリッチな味になります。ただしアルコール度数が上がり、味も「ポート風」の別物に寄るので、少量から試してください。
5. できることと、その限界
これらの技は、あくまで「飲む体験」を良くするものです。ワインそのものの品質を変えるわけではありません。
とくに、コルク臭がついていたり、明らかに劣化していたりするワインは、何をしても元には戻りません。あくまで「ふつうの安ワインを、もう少し美味しく飲む」ための工夫だと考えてください。
まとめ
千円以下のワインでも、空気に触れさせる、ひとつまみの塩、温度を合わせる、という3つだけで印象は変わります。まずはいちばん効くミキサー攪拌か、出して20〜30分の温度合わせから試してみてください。
銘柄ごとの飲み方やおつまみは、各記事でも紹介しています。あわせて読んでみてください。
- アルパカ(チリ・ワンコインの定番)
- コノスル(高コスパの代表)
- サンライズ(果実味しっかり)
- フロンテラ(赤も白も)
- デル・スール(果実味しっかり)
- カルロ・ロッシ(飲みやすい)
- メルシャン無添加ふくよか赤
- サントリー無添加のおいしいワイン赤
- ジョルジュ デュブッフ ボジョレー
- タヴェルネロ(イタリアの定番)
- コドーニュ(千円の本格カバ)
- フレシネ コルドン・ネグロ
※参考: Modernist Cuisine「How to Hyperdecant Your Wine」、Wine Spectator、Cooking Panda ほか。